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組立ロボットの導入で生産ラインの効率化を図る

「生産ラインの効率を上げたいけど、人手不足で困っている」「組立ロボットの導入を検討しているが、本当に効果があるのか分からない」「初期投資に見合うメリットがあるのか不安だ」
そう思う方もいるかもしれません。

実は、組立ロボットの導入は、生産性向上、品質の安定化、人件費削減の3つのポイントで効果を発揮し、多くの製造業で生産ラインの効率化を実現しています。

この記事では、組立ロボット導入が生産ラインに与える具体的な影響や、導入によって得られるメリットについて詳しく紹介します。


組立ロボットとは?基礎知識と種類

組立ロボットは、製造業の生産ラインにおいて部品の組み立て作業を自動化する産業用ロボットの一種です。従来は人の手で行われていた精密な組み立て作業を、ロボットが高速かつ正確に実行することで、生産効率の向上と品質の安定化につながります。

ここでは組立ロボットの基礎知識と種類について解説します。


組立ロボットの定義と役割

組立ロボットとは、製品の組み立て工程において部品のピッキング、位置決め、固定、検査などの作業を自動的に行う機械装置を指します。人間の腕のような動きを再現する多関節アームや、吸着・把持機能を持つエンドエフェクターを備えており、プログラムされた動作を繰り返し行います。

その役割は単なる作業の代替にとどまらず、生産ラインの標準化と品質管理の向上にも役立ちます。特に精密機器や電子部品の組み立てにおいては、人間では困難なミクロン単位の精度を実現できる点が大きな強みです。


産業用ロボットと組立ロボットの違い

産業用ロボットは溶接、塗装、搬送、組み立てなど幅広い用途に使われる総称であり、組立ロボットはその中でも組み立て作業に特化したロボットを指します。産業用ロボット全体では重量物の搬送や過酷な環境下での作業も含まれますが、組立ロボットは比較的小型で精密な動作が求められる場面で活躍します。

また、組立ロボットには視覚センサーやフォースセンサーなど、細かな位置調整や力加減が必要な作業に対応するための機能が搭載されていることが多く、より繊細な作業に適しています。


組立ロボットの主な種類と特徴

組立ロボットには用途や作業内容に応じて複数の種類が存在し、それぞれ異なる特徴を持っています。代表的なものとして以下の3種類が挙げられます。

  • ⚫︎垂直多関節ロボット:人間の腕に近い自由度を持ち、複雑な動きが可能で大型部品の組み立てに最適
  • ⚫︎水平多関節ロボット(スカラロボット):水平方向の動作に特化しており、高速かつ高精度な組み立て作業に最適
  • ⚫︎協働ロボット(コボット):人と同じ空間で安全に作業できるよう設計されており、柔軟性が高く中小企業でも導入しやすい

それぞれの特性を理解し、生産ラインの要件に合わせて選定することが、導入を成功させるポイントです。


組立ロボット導入による生産ラインの効率化効果

組立ロボットを生産ラインに導入することで、企業は効率化を実現できます。人の手による作業と比較して、作業時間の大幅な短縮、休みなく稼働できる体制の構築、そして品質のばらつきを抑えた安定生産が可能になります。

ここでは組立ロボット導入による具体的な効率化効果について解説します。


作業時間の短縮による生産性向上

組立ロボットは人間よりも高速かつ正確に作業できるため、一つの製品あたりの組み立て時間を大幅に短縮できます。特に繰り返し作業においては、疲労による作業速度の低下がなく、常に一定のスピードを維持できる点が強みです。

例えば電子部品の組み立てでは、人の手で5分かかっていた作業をロボットなら2分で完了するケースも珍しくありません。この時間短縮効果は、1日の生産量に換算すると大きな差となり、納期の短縮や生産計画の柔軟性向上にもつながります。


24時間稼働による生産量の増加

組立ロボットは休憩や睡眠を必要としないため、24時間365日の連続稼働が可能です。人による作業では1日8時間の稼働が基本となりますが、ロボットを導入することで3倍の稼働時間を確保できます。深夜や休日の無人稼働により、同じ設備投資で生産量を飛躍的に増やすことができ、需要の急増にも柔軟に対応できる体制を構築できます。

また、夜間稼働によって電力コストの削減も期待でき、トータルでの生産コストも抑えられます。メンテナンス時間を除けば、ほぼ休むことなく稼働し続けられる点が大きなメリットです。


人的ミスの削減と品質の安定化

人による組み立て作業では、疲労や集中力の低下により品質のばらつきが生じやすく、不良品の発生リスクが常に存在します。組立ロボットはプログラムされた通りの動作を正確に繰り返すため、人的ミスによる不良品を大幅に削減できます。特にネジの締め付けトルクや部品の位置など、数値で管理すべき項目において正確性に長けています。

品質の安定化は顧客満足度の向上につながるだけでなく、検査工程の簡素化や手戻り作業の削減にもつながり、生産ライン全体の効率化に寄与します。


組立ロボット導入で得られる5つのメリット

組立ロボットを導入すると、効率が上がるだけでなく、会社全体にさまざまなメリットが生まれます。コストを抑えたり人手不足を解消したりといった目の前の課題から、働く環境を良くしたり、生産の切り替えをスムーズにしたり、データを使った改善まで、幅広い効果が期待できます。

ここでは組立ロボット導入で得られる5つの主なメリットについて解説します。


人件費削減とコスト最適化

組立ロボットを入れることで、作業員の配置を見直すことができ、人件費を大きく減らせます。特に24時間動かす場合、夜勤の手当がかからず、社会保険料などの費用も抑えられます。

始めに数百万円から数千万円ほどの投資が必要ですが、人件費が減ることで3年から5年ほどで元が取れることが多いです。また、作業が一定になることで材料のムダや不良品が減り、製造にかかる全体のコストを抑えられます。


人手不足問題の解決

少子高齢化で工場で人手の確保が難しくなっており、特に組み立てなどの単純作業をする人が不足しています。組立ロボットを入れることで、人の手でやっていた作業を自動化でき、人が足りないことによる生産の制限がなくなります。今いる従業員は、より大事な仕事や管理の仕事に集中でき、人材を効果的に使えるでしょう。

また、求人費や新しい人を教育する時間とコストも減らせるため、人を集めにくい時代でも競争力を保てます。人材確保の心配がなくなることで、事業の計画も立てやすくなるのです。


作業環境の改善と安全性の向上

組み立て作業には重い物を持ち上げたり、同じ姿勢で長時間作業したりと、体に負担がかかる工程が多くあります。組立ロボットがこうした作業を代わりにすることで、作業員の体への負担が減り、ケガや事故のリスクも大きく下がります。

特に危ない作業や体に悪い物質を扱う工程では、人を危険から遠ざけることができ、安全性が高まるでしょう。作業環境が良くなることで従業員の満足度も上がり、辞める人が減ったり会社のイメージが良くなったりといった良い効果も生まれます。健康を大切にする経営という点でも、ロボット導入は効果的です。


柔軟な生産体制の構築

昔の専用機械による自動化では製品が変わると対応できませんでしたが、今の組立ロボットはプログラムを変えるだけで様々な製品を作れます。市場の変化に合わせて作る製品をすぐに切り替えられるため、多くの種類を少しずつ作る生産にも向いています。

先端の道具を取り替えることで違う部品の組み立てにも使え、一台のロボットで複数の製品ラインでの活用が可能です。この柔軟性により、季節による変動や需要の読みにくさにも対応しやすくなり、在庫のリスクを抑えながらお客様の要望に応える生産ができます。


データ収集による生産管理の高度化

組立ロボットは作業のデータを自動で記録できるため、生産の流れを可視化して分析するのが簡単になります。各工程の作業時間、エラーが起きた状況、稼働率などのデータをその場で集めて、生産管理のシステムとつなげることで、どこがボトルネックかを見つけたり改善策を考えることができます。

IoT技術と組み合わせることで故障を予測して防ぐこともでき、突然の機械停止を未然に防げるでしょう。たまったデータを分析することで、さらに効率を上げるチャンスが見つかり、継続的な改善活動を科学的に進められるのです。

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