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ロボットの中で製造用に使われる代表的な事例をご紹介

「製造業でロボットを導入したいけど、どんな事例があるの?」「うちの工場でも自動化できるのかな?」「実際の導入効果はどれくらいあるんだろう?」そう思う方もいるかもしれません。

実は、製造業におけるロボット導入は、溶接・組立・搬送・検査など多岐にわたる工程で成果を上げており、人手不足解消や生産性向上に直結する具体的な効果が実証されています。

この記事では、製造業で活用される代表的なロボットの事例を業種別・用途別に紹介し、導入によって得られる具体的な効果や成功のポイントをわかりやすく解説します。


製造業で活用されるロボットの主な種類と特徴



製造業の現場では、作業内容や工程に応じて様々な種類のロボットが活用されています。溶接や組立などの複雑な動作が求められる工程から、重量物の搬送や整列作業まで、それぞれのロボットには得意とする領域があります。

ここでは製造業で代表的に使われる3種類のロボットについて解説します。


垂直多関節ロボット:最も汎用性が高い産業用ロボット

垂直多関節ロボットは、人間の腕に近い構造を持ち、上下左右に広い可動範囲を実現できる産業用ロボットです。複数の関節を持つことで自由度が高く、溶接や組立、塗装、研磨など多様な作業に対応できます。

川崎重工では自動車ボディの溶接工程に防爆塗装ロボットKJ264を導入し、熟練者の勘に頼っていた作業の自動化を実現しました。複雑な動きが求められる製造現場で最も広く採用されているロボット形式です。

【参照】:川崎重工の産業用ロボット導入事例


協働ロボット:人と一緒に働ける次世代ロボット

協働ロボットは、安全柵なしで人と同じ空間で作業できるよう設計された次世代型のロボットです。垂直多関節ロボットと同様のアーム形状を持ちながら、人との接触を検知すると自動停止する安全機構を備えています。

トヨタ自動車では、ウィンドウ搭載作業に協働ロボットを導入し、熟練を要した二人作業を未熟練の女性作業者1人でも可能にしました。狭いスペースでも導入でき、レイアウト変更が不要な点も大きな利点です。

【参照】:ロボット技術導入事例集


パレタイズロボット:物流・搬送作業の効率化に特化

パレタイズロボットは、製品や荷物をパレット上に整列・積載する作業に特化したロボットです。重量物の持ち上げや反復作業を得意とし、24時間連続稼働が可能なため物流現場で高い効果を発揮します。

松浦梱包輸送では、川崎重工のデパレタイズソリューションを導入し、重量物仕分け作業を自動化することで従業員の身体的負荷を大幅に軽減しました。人手不足が深刻な物流業界において、作業者を重労働から解放する重要な役割を担っています。

【参照】:川崎重工の産業用ロボット導入事例


【業種別】製造業におけるロボット導入事例



製造業では業種ごとに異なる課題やニーズがあり、それぞれの特性に応じたロボット導入が進んでいます。自動車部品では高精度な溶接技術、電子部品では繊細な搬送作業、食品製造では衛生管理を保ちながらの高速処理、物流では重労働からの解放が求められます。

ここでは代表的な4つの業種におけるロボット導入事例について解説します。


【事例1】自動車部品製造での活用

溶接ロボットは自動車製造業において最も普及しているロボットの一つです。安川電機のMOTOMANシリーズは、アーク溶接やスポット溶接に優れた性能を発揮し、自動車のボディやフレーム溶接に広く採用されています。人間では困難な複雑な角度や狭い箇所への溶接も高精度で実施でき、溶接品質のばらつきを大幅に削減することが可能です。

24時間稼働により生産性が向上し、溶接作業による火花や熱から作業員を保護する安全面でのメリットも大きく、労働環境の改善にも貢献しています。

【参照】:安川電機について解説!ロボットの種類や価格は?MOTOMANの導入事例をご紹介


【事例2】電子機器製造ラインでの導入

電子機器製造では、ファナックのロボットが組立工程で高い実績を誇ります。スマートフォンやパソコンの基板実装、部品のピックアンドプレース作業において、ミクロン単位の精度で部品を配置することが可能です。ファナックのロボットは視覚センサーと連携し、部品の位置ずれを自動補正する機能を備えており、不良品の発生率を大幅に低減します。人間の手作業では困難な微細部品の取り扱いや、長時間の反復作業をロボットが担うことで、作業員はより付加価値の高い業務に集中できる環境が実現されています。

【参照】:電気・電子業界向けの産業用ロボット活用事例


【事例3】物流・倉庫業務の効率化

搬送ロボットやAGV(無人搬送車)は、工場内の部品や製品の運搬作業を自動化します。e-メカトロニクスが提供する搬送システムでは、複数のロボットが連携して効率的に物流を管理し、生産ラインへの部品供給をジャストインタイムで実現します。

磁気テープや二次元コードによる誘導、最近ではレーザーやカメラを使った自律走行も可能になっており、柔軟なレイアウト変更にも対応可能です。人手による運搬作業を削減することで、腰痛などの労災リスクを低減し、作業員の負担軽減と生産効率の両立を実現しています。

【参照】:安川電機 用途・事例


【事例3】物流倉庫での重量物搬送作業の自動化

物流企業の松浦梱包輸送株式会社は、企業理念「人にやさしく」の実現に際し、従業員の身体的負荷という課題解決を目指していました。取引先で偶然見かけたロボットの存在がきっかけとなり、川崎重工の垂直多関節ロボットによるデパレタイズソリューションを導入しました。

重量物仕分け作業を自動化することで、職場環境の改善と効率化を両立させ、従業員が安全に長く働ける環境を実現しています。

【参照】:川崎重工の産業用ロボット導入事例


製造業でロボットを導入することで得られる効果

ロボット導入は初期投資が必要となりますが、その効果は人手不足解消、品質向上、生産性向上など多岐にわたります。単なる省人化だけでなく、従業員を危険な作業や単純作業から解放し、より創造的で付加価値の高い業務に集中できる環境を作り出します。

ここでは製造業でロボットを導入することで得られる主要な3つの効果について解説します。


人手不足の解消と省人化による労働力の最適配置

製造業では慢性的な人手不足が深刻化しており、特に溶接工や熟練技術者の確保が年々困難になっています。ロボット導入により、熟練技術を要した作業が未熟練者でも対応可能になり、人材育成期間の短縮が可能です。従来5年から10年かかっていた技術習得が1、2年で可能になることもあります。

また単純作業や定型作業をロボットに任せることで、熟練者は新規製品開発や工程改善など付加価値の高い業務に専念できるようになります。労働力を最適配置することで、企業全体の競争力向上につながります。


品質の安定化と不良率の低減

人による作業では疲労や経験の差により品質にバラつきが生じやすく、個々の職人が異なる品質基準を持つことで過剰品質になるケースもあります。ロボットは常に同じ精度で作業を繰り返すため、製品品質を一定レベルに保つことが可能です。

溶接や研磨といった高度な技術が必要な工程でも、ロボットによる自動化で品質の標準化が実現します。また検査工程では人の目視では見逃しやすい微細な欠陥も確実に検出でき、全数検査を同一基準で実施できます。品質の安定化は顧客満足度向上と信頼獲得に直結する重要な効果です。


生産性向上とコスト削減の具体的な数値効果

ロボットは24時間連続稼働が可能なため、夜間や休日も生産を継続でき、実質的な生産能力が飛躍的に向上します。処理速度では人手作業の2倍以上を実現することもあり、高速かつ正確な作業により生産効率が大幅に改善します。重量物の搬送作業では従業員の身体的負担が軽減され、労災リスクの低減にもつながります。

初期投資は必要ですが、月間数十万円規模のコスト削減効果や人件費の最適化により、中長期的には投資回収が可能です。増産要請への柔軟な対応や納期短縮も実現でき、ビジネス機会の拡大にも貢献します。

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