オートメーションロボットの種類とは?5つの分類の切り口と選定手順を解説
オートメーションロボットとは

オートメーションロボットとは、これまで人の手で行っていた作業を自動化するために導入されるロボットの総称です。人手不足や人件費の高騰、品質の安定化といった課題を背景に、製造業をはじめ物流・医療・飲食などさまざまな業界で導入が進んでいます。
一口にオートメーションロボットといっても、その種類は「どの視点で分類するか」によって整理の仕方が変わります。アームの形状だけでなく、動力源、動作の教え方、扱える重量、設置の仕方など、複数の切り口があり、これらを理解しておくことで、カタログやメーカーの提案内容を正しく比較できるようになります。
本記事では、オートメーションロボットの種類を「大分類」「駆動方式」「ティーチング方式」「可搬重量」「設置方式」という5つの切り口から解説し、最後に種類を絞り込む手順まで紹介します。
オートメーションロボットの大分類:産業用とサービス用
オートメーションロボットは、まず「産業用ロボット」と「サービスロボット」の2つに大きく分けられます。産業用ロボットは、工場などの産業現場で製造工程の自動化を担うロボットです。JIS(日本産業規格)では「自動制御によるマニピュレーション機能又は移動機能をもち、各種の作業をプログラムによって実行できる、産業に使用される機械」と定義されており、労働安全衛生規則に基づく安全対策や特別教育が求められるなど、法令面のルールが整備されている点が特徴です。
一方のサービスロボットは、産業現場以外で人の生活や業務を支援するロボットを指します。配膳・清掃・警備・案内などが代表例で、人が行き交う環境で使われることを前提に設計されています。どちらに該当するかによって、必要な安全対策や関連法規、選定時に確認すべき安全規格が変わるため、導入検討の最初に押さえておきたい分類です。
駆動方式による種類

ロボットを動かす動力源の違いによる分類です。駆動方式は、パワー・精度・メンテナンス性・使用環境の適性を左右します。
電動式
モーターで駆動する方式で、現在のオートメーションロボットの主流です。動作の精度や速度の制御がしやすく、省エネルギーで配線もシンプルなため、組立や検査といった精密な作業に向いています。油圧式
油の圧力を利用して駆動する方式で、大きな力を出せることが最大の特徴です。重量物の搬送やプレス作業など、パワーが求められる工程で使われます。一方で、作動油の管理や漏れ対策といったメンテナンスの手間がかかります。空圧式
圧縮空気を利用して駆動する方式です。構造がシンプルで動作が速く、導入コストを抑えられます。力の細かい制御は苦手ですが、軽量物の搬送や単純な繰り返し作業に適しています。また、電気を使わない構造にできるため、防爆性が求められる環境で選ばれることもあります。ティーチング方式による種類
ロボットに動作を教える「ティーチング」の方法によっても種類が分かれます。ティーチング方式は、導入後の運用のしやすさや段取り替えの負担に直結する重要なポイントです。ティーチングプレイバック方式
作業者がティーチングペンダントと呼ばれる操作端末でロボットを実際に動かし、その動作を記憶させて再生する方式です。現場で実機を見ながら調整できる確実さがある反面、教示作業中はラインを止める必要があります。オフラインティーチング方式
パソコン上の3Dシミュレーションでプログラムを作成し、ロボットに転送する方式です。生産ラインを止めずに準備できるため、稼働率を落としたくない現場や、複雑な動作プログラムを作り込みたい場合に適しています。ダイレクトティーチング方式
作業者がロボットのアームを直接手で動かして動作を覚えさせる方式です。専門知識がなくても直感的に教示でき、協働ロボットを中心に採用が広がっています。多品種少量生産のように段取り替えが多い現場と相性が良い方式です。AI・自律制御型
あらかじめ動作を教え込むのではなく、カメラやセンサーで対象物を認識し、AIが自ら動作を判断するタイプも登場しています。形や位置が一定でないワークのピッキングなど、従来はティーチングが困難だった作業の自動化に道を開く、注目度の高い種類です。可搬重量による種類
ロボットが扱える重さ(可搬重量)による分類も、機種選定では欠かせない視点です。可搬重量が数kg程度までの小型ロボットは、電子部品や食品などの軽量物のハンドリングに使われ、設置スペースも小さく済みます。数十kgクラスの中型ロボットは、一般的な部品の組立・搬送など幅広い工程をカバーします。100kgを超える大型ロボットは、自動車のボディや建材といった重量物を扱う工程で活躍しますが、本体価格や設置工事の負担も大きくなります。
必要以上に大きな可搬重量の機種を選ぶとコストが無駄になり、逆に不足するとハンド(ロボットの手先部分)や治具の重量を含めた総重量を支えられず、精度低下や故障の原因になります。ワークだけでなくハンドの重さも含めて余裕を持たせることが選定のコツです。
設置方式による種類
同じロボットでも、どこに、どのように設置するかで種類が分かれます。床置き型はもっとも一般的な設置方式で、安定性が高く大型機にも対応できます。設置や保守がしやすい反面、床面のスペースを占有します。天吊り型は天井側から吊り下げて設置する方式で、床面のスペースを空けられるため、装置内部や狭いラインでの作業に向いています。壁掛け型は壁面に固定する方式で、床と天井のどちらにも設置余地がない場合の選択肢になります。
さらに近年は、台車にロボットを載せて複数の工程間を移動させるモバイル型の運用も登場しており、1台のロボットを複数工程で使い回すといった柔軟な活用が可能になっています。




